「家に帰ってよく考えると、ちょっと……」
「契約したけど、やっぱりやめたい……」
「手続きは電話ですむのかな? お店に行かないとダメ?」
痩身エステのコースは、期間が長く、金額も大きい契約になることが多いサービスです。そのため、契約したあとで考え直したいときのために、法律でクーリング・オフと中途解約のルールが決められています。
ルールを知っておくと、安心してサロンを選べます。

※消費者庁の「特定商取引法ガイド」の内容をもとに、2026年10月22日にまとめました。法律の一般的な説明で、個別のケースを判断するものではありません。
知っておきたい2つのルール
クーリング・オフと中途解約は、特定商取引法という法律で決められたルールです。エステの場合は、次の2つを両方満たす契約で使えます。
- サービスを受けられる期間が1か月を超える
- 金額が5万円を超える(入会金や、一緒に買う関連商品の代金なども合わせた総額で考えます)
1回だけの体験コースのように、この条件に当てはまらない契約は対象になりません。
どちらのルールを使うかは、契約の内容を書いた書面(契約書面)を受け取ってから、何日たったかで変わります。
①書面を受け取ってから8日以内:クーリング・オフ
8日以内なら、理由を問わず、契約を解除(クーリング・オフ)できます。支払ったお金は返してもらえて、違約金もかかりません。
②8日を過ぎたあと:中途解約
8日を過ぎたあとでも、残りの契約を途中で解約(中途解約)できます。まだ一度も施術を受けていなくても、8日を過ぎていれば中途解約になります。このとき事業者から請求される金額には、法律で上限が決められています。
契約の前に受け取る「概要書面」にも、クーリング・オフと中途解約のことが書かれています。目を通しておくと安心です。
クーリング・オフの期限とやり方
期限は、契約書面を受け取った日を含めて8日間です。たとえば土曜日に受け取ったら、次の土曜日までです。
- 支払ったお金は、速やかに返してもらえます
- すでに施術を受けていても、その料金や違約金を払う必要はありません
- エステの契約にともなって買った健康食品・化粧品・下着類・美顔器など(法律で決められた「関連商品」)も、一緒に解除できます。ただし、健康食品や化粧品などの消耗品は、使ってしまうと、その商品は対象外になります
クーリング・オフのやり方
クーリング・オフは、書面か電磁的記録(メールや、ウェブサイトのクーリング・オフ専用フォームなど)で通知します。電話で伝えるだけでは法律で決められた方法にならないので、書面・メール・専用フォームで送りましょう。通知を出した時点で、クーリング・オフの効力が生じます。
あとで確認できるように、記録を残しておくことがすすめられています。
- 書面:特定記録郵便・書留・内容証明郵便などで送る
- メール:送信したメールを保存しておく
- 専用フォーム:送信した画面のスクリーンショットを残しておく
書面で送るときの例です。メールやフォームで送るときも、同じ内容を参考にしてください。
契約解除通知書
住所○〇〇○〇〇○〇〇
〇〇〇〇〇〇〇会社
代表者〇〇〇〇〇殿
〇年〇月〇日に貴社と結んだエステサービス契約を、特定商取引に関する法律第48条に基づき解除いたします。
支払い済み料金〇〇円は下記銀行口座に振り込み願います。
銀行口座:〇〇銀行〇〇支店
普通預金口座〇〇〇〇
名義〇〇〇
〇年〇月〇日
住所〇〇〇〇 名前〇〇

中途解約と、請求される金額の上限
書面を受け取ってから8日を過ぎたあとは、「中途解約」になります。特別な理由がなくても解約できます。
伝え方は、法律では決まっていません。契約書面の中途解約のところ(受けた施術の料金の精算のしかたも書かれています)を確かめたうえで、まずは契約したサロンに伝えましょう。
中途解約のときに事業者から請求される金額(違約金など)には、施術を受ける前か、受けたあとかで、次の上限があります。
施術を受ける前にやめる場合
- 2万円まで
施術を受けたあとにやめる場合
次の1と2を足した金額までです。
- すでに受けた施術の料金
- 「2万円」か「契約残額の10%」の、どちらか低いほうの金額
「契約残額」は、施術の料金の総額から、すでに受けた施術の分を引いた額です。関連商品を一緒に解約するときは、使った分などの代金がかかることがあります。
計算の例です。
1回4万円×30回(総額120万円)のコースを契約し、10回受けたあとに中途解約した場合(関連商品はなし)
- すでに受けた施術の料金:4万円×10回=40万円
- 契約残額は4万円×20回=80万円で、その10%は8万円。2万円のほうが低いので、2万円
上限は、40万円+2万円=42万円です。先に120万円を払っていれば、上限を超える78万円は返してもらえる計算になります。
返金や、契約とお金のことは、こちらの記事でもくわしく紹介しています。
まとめ
クーリング・オフも中途解約も、法律で決められた消費者の権利です。契約したあとで考え直したくなったら、遠慮せずに使えます。
サロンにとっても、お客様に納得して通ってもらうのがいちばんだと思います。契約の前に概要書面に目を通して、気になることは聞いてから決めましょう。
手続きで分からないことがあるときは、次の窓口に相談できます。
- 契約したエステサロンのお客様窓口
- 消費者ホットライン「188」:近くの消費生活センターなどの相談窓口を案内してもらえます。相談は無料ですが、通話料はかかります
特定商取引法のルールをまとめて知りたい方は、こちらの記事もどうぞ。
特定商取引法とは?エステの契約で知っておきたいルールと相談先
クーリング・オフと中途解約について知っておけば、体験にも行きやすくなりますね。



